内視鏡センター

ご挨拶

内視鏡センターは、内視鏡による検査(診断と治療)を行う、中央診療部門の1つです。上部消化管内視鏡(食道、胃、十二指腸)、小腸内視鏡(バルーン内視鏡)、下部消化管内視鏡(大腸)、胆膵内視鏡、気管支内視鏡をそれぞれの専門分野別に行っています。

2003年に病棟41床を改修リニューアルした当院の内視鏡センターは、213平方メートルで、これまでの内視鏡室の2.5倍の広さにあたります。センター受付、待合室、前処置エリア、5内視鏡室、5台の内視鏡洗浄・消毒機器を配備した洗浄・消毒室、男女各更衣室、モニター監視装置を設置したリカバリールームからなっています。

当院で検査を受けられた患者さんが再び当院で検査を希望されますよう、スタッフ一同で待ち時間の短縮など細心の注意を払い検査を進めております。

診療体制

当院では、精度の高い診断と患者さんへの苦痛の少ない検査の提供を二本柱としています。そのため、画像の質が落ちる経口や経鼻の細径内視鏡は使用しておりません。また、内視鏡検査時、場合により鎮静剤を使用することがありますが、ご高齢の方、呼吸器や循環器疾患をお持ちの方、緑内障の方など担当医師が鎮静剤が使えないと判断した方には希望されましてもお断りをさせていただいております。鎮静剤を使用して検査をされた際には自動患者監視装置にて血圧、脈拍、血中酸素濃度などの状態をモニタリングすることで安全面でも可能な限り対応させていただきますが、呼吸抑制や精神不穏等の副作用があることもありますので慎重にご選択ください。

また大腸内視鏡検査は「腹が張って苦しい」「痛い」「腸管洗浄液が飲みにくい」など前評判が決して良くないのも事実です。この場合でも当院では検査で使用する送気(大腸内腔を膨らませる)を通常の大気ではなく炭酸ガス(C02)を全例に使用することでお腹の張りをかなり軽減するように努めています。腸管洗浄液が飲めないという方には錠剤タイプを御用意しており、ウーロン茶や緑茶などで飲用することが可能です。

検査終了後には画像ファイリングシステムにより検査結果を即時に確認し、過去の所見と比較したり方針について説明いたします。

主な治療内容

食道
食道静脈瘤の治療
内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)・内視鏡的静脈硬化療法(EIS)
早期食道癌の治療
内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
胃・十二指腸
出血性病変の治療
クリップ止血・APC焼灼・エタノールなどの局注
早期胃癌・胃ポリープの治療
内視鏡的ポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など
大腸
出血性病変の治療
クリップ止血・APC焼灼
早期大腸癌・大腸ポリープの治療
内視鏡的ポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など
膵・胆・肝
胆管・膵臓病変の治療
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)・内視鏡的ステント留置術(EBD)・内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)・内視鏡的胆管拡張術(EPBD)・内視鏡的砕石/採石術など
気管支・肺
呼吸器疾患の診断・治療
気管支鏡検査・経気管支肺生検(TBLB)・気管支洗浄・気管支肺胞洗浄(BAL)・気管支腔内超音波断層法(EBUS)・経気管支吸引生検(TBNA)など

担当医紹介

消化器内科医長兼消化器副センター長岡田 勝冶
専門分野
消化器内科(上下消化管検査、治療内視鏡)
出身大学
産業医科大学医学部
認定等
  • 日本内科学会認定医・産業医
所属学会等
  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
萩原 信敏
専門分野
消化器外科(食道外科、内視鏡外科、食道、胃の内視鏡)
出身大学
日本医科大学
認定等
  • 日本医科大学付属病院消化器外科講師
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本食道学会食道外科専門医
  • 日本消化管学会専門医・指導医
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 米国国立がん研究所(NCI.NIH)元研究員
所属学会等
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本食道学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本消化器病学会医
  • 日本消化管学会

担当医スケジュール

2024年10月01日

午前 佐野 望
新井 泰央
櫻澤 信行
金生 直哉
菅野 あづみ
稲瀬 誠実 萩原 信敏
土生 亜実
加藤 博之
岡田 勝治
河野 惟道
岡田 勝治(第1週)
田中 由理子(第2・4週)
佐野 望(第3週)
午後 岡田 勝治 小野 紘貴
齋藤 美加子
小野 紘貴
齋藤 美加子
岡田 勝治 岡田 勝治
河野 惟道
 

診療実績

内視鏡センターには、内視鏡検査室5部屋(上部内視鏡専用室3部屋・下部内視鏡専用室2部屋)・洗浄室(高性能の消毒洗浄機5台保有)・待合室・更衣室・回復室(リクライニングチェア付き)があります。
消化器・呼吸器・婦人科領域の内視鏡検査を行っており、早期がんの内視鏡診断からさまざまな治療まで、年間7,000件を超える内視鏡検査を行っています。

近年では上部消化管拡大内視鏡の増設に伴い、従来のハイビジョン対応スコープを上回る高画質(HQ画質)で観察することができ、さらに質の高い検査が可能となりました。
また、当センターでは内視鏡治療の際に使用する高周手術装置にはエルベ社製のVIO3を採用しています。日本国内のほとんどの大学病院や大病院でも採用されている高機能で、繊細な切除を可能とする高周波手術装置です。大学病院と同レベルの治療を実践するため導入し、当院では安全・安心・確実な内視鏡治療を目指しております。

呼吸器分野では、肺がんなど悪性腫瘍のほか、間質性肺炎、過敏性肺炎、サルコイドーシスなどのびまん性肺疾患や呼吸器感染症の診断を行います。病変に対して気管支鏡や超音波気管支鏡(EBUS-GS、EBUS-TBNA)など用いて検査を行っています。静脈麻酔を施行して検査を行うため、苦痛が少なく、安心して安全な検査が受けられます。

  • 内視鏡検査総数
    いつも清潔、安心です。
    当院では常に内視鏡をハイレベルに洗浄しています。
    ・人体に安全な消毒薬を使用
    ・5台の洗浄装置で内視鏡室ごとに洗浄
  • ハイビジョンシステム
    最新鋭の内視鏡ハイビジョンシステム
    内視鏡診断・治療の向上のため、当院では全てハイビジョン画像システムでの検査をおこなっています。

内視鏡検査総数

2020年 2021年 2022年 2023年
検査件数 6,553 8,291 7,053 7,114

内視鏡検査内訳

2020年 2021年 2022年 2023年
上部内視鏡 4,628 6,209 5,378 5,289
下部内視鏡 1,601 1,714 1,309 1,329
ERCP 38 38 53 46
小腸鏡 4 3 5 6
気管支内視鏡 281 327 309 445

内視鏡治療

2020年 2021年 2022年 2023年
食道(ESD含む) 10 5 4 5
胃(ESD含む) 35 31 27 30
大腸(ESD含む) 430 443 351 440