間質性肺炎患者会「一期一会」について
2018年1月に福島県初の間質性肺炎・肺線維症センターを開設して以来、現在までに約1000名の間質性肺炎・肺線維症の患者さんを、郡山市を中心に福島県全域からご紹介していただいております。当院スタッフを代表してこの場をお借りして心よりお礼を申し上げます。
間質性肺炎患者会「一期一会」とは
2023年7月より、当院では患者さん主導の患者さんのための会である、間質性肺炎患者会『一期一会』を発足いたしました。
現在様々な医療の現場で問題となっている患者さんと医師とのコミュニケーションギャップを埋めていく努力が必要とされていますが、患者会を立ち上げることにより、患者さん同士の本音や普段医師に質問できない内容なども共有でき、我々医療従事者も大きな気づきとなっています。
実際の患者会の交流は、LINEオープンチャット「間質性肺炎 患者・家族の相談室」(以下、当コミュニティ)はLINE株式会社が提供するLINEオープンチャットの機能を利用し、坪井病院の間質性肺炎患者会『一期一会』のメンバーが中心となって、病気の相談や生活の工夫などを患者・家族同士で話し合っています。運営は株式会社ピアハーモニーに委託し、トラブルを未然に防ぐ取り組みを絶えずおこなっています。また患者さん同士では解決できない医学的な疑問が出た場合は、ピアハーモニー社から質問を抽出してもらい、当院の間質性肺炎・肺線維症センターのスタッフが回答を提供しています。
当コミュニティへの参加については患者会『一期一会』のメンバーに参加コードを配布して参加いただいている他、ピアハーモニー社が運営するWebサイト『間質性肺炎ナビ』からも参加申し込みが可能です。
本コミュニティ内では、定期的にWebアンケートを実施しており、本邦でも最大規模の間質性肺炎患者さんのアンケートパネルを目指しています。
※間質性肺炎ナビのウェブサイトへ移動します。
医療者と患者のコミュニケーション、その現状と課題
今後の間質性肺炎診療において求められる重要な点として、shared decision making (SDM) があげられます。これは、「医学的な情報や最善のエビデンスと患者の生活背景や価値観など、医療者と患者が双方の情報を共有しながら、一緒に意思を決定していくプロセス」を指します。日常臨床で日々当然のように行われていくべきものと思われますが、実は本邦において満足のいくSDMが行われている医療現場は少ないとされています。患者さんと医師とのコミュニケーションギャップを埋めていく上で必要不可欠な事であることは理解していただけると思います。
今後も間質性肺炎患者会『一期一会』を通じて、より良い医療環境を構築していきたいと思っております。
当院の間質性肺炎・肺線維症センターの診療を通じて、多くの患者さんならびにご家族の方々とより良い診療を目指していきたいと思います。
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