お知らせ
- 2023.10.02
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杉野圭史院長就任のご挨拶
ご挨拶
本年10月1日に院長に就任いたしました杉野圭史と申します。
あらためて、その重責を感じている次第であります。
私は平成11年(1999年)に東邦大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科で研究・診療・教育に従事してきました。平成16年(2004年)10月に国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器内科に出向し、呼吸器内科医師としての基盤を築くことができました。その後、現在の私の専門分野である間質性肺炎・肺線維症を学ぶために、大学院では主に呼吸器病理学を勉強いたしました。
大学院卒業後は、平成25年(2013年)より英国ロンドンのロイヤルブロンプトン病院放射線科に留学し、間質性肺炎・肺線維症を中心とした画像診断技術を学ぶ機会に恵まれました。平成29年(2017年)から現在の坪井病院に出向し、平成30年(2018年)に間質性肺炎・肺線維症センターを開設いたしました。同時に間質性肺炎・肺線維症センター長、令和1年(2019年)7月から当院呼吸器科部長に就任し、高い水準で最良の医療の提供を目指しています。
当院は、前理事長の故坪井榮孝先生が地域がん診療連携拠点病院として昭和52年(1977年)に102床の坪井病院を開設。平成2年(1990年)に18床の緩和病棟、平成15年(2003年)に内視鏡センターを開設。平成19年(2007年)には、現理事長である坪井永保先生のもと、リハビリテーションセンターが開設され、現在、呼吸器疾患診療を中心とした郡山市の中核病院の一つとなっています。
特に、当院は急性期から慢性期(緩和期)まで幅広い診療をおこなうため、看護部、薬剤部、リハビリテーション科などとの協力が必要不可欠です。今までであれば医師のみが行っていた業務を、医師の指導・確認のもと、他職種への業務移管や共同化(タスクシフト/タスクシェア)を積極的に実践することにより、医師や医療スタッフの不足が問題とされている地方の医療現場においても、都市部を凌駕するほどの診療を可能にしているものと考えております。
そうした試みの結果として、最近では、福島県立医科大学や全国の病院から呼吸器内科診療、中でも間質性肺炎・肺線維症を学びに医学生や若手の先生方が研修に来てくれています。また、間質性肺炎・肺線維症センターを開設して以来、現在までに約1000名の間質性肺炎・肺線維症の患者の診療にあたっています。
そこで得られた診療ノウハウを礎に、長年の夢であった全国に展開できる間質性肺炎の患者会『一期一会』を令和5年(2023年)7月より発足し、病気の相談や生活の工夫などを患者及び家族同士で話し合う場所となっています。さらに、患者同士の本音や普段医師に質問できない内容なども共有でき、我々医療スタッフも大きな気づきとなっています。
一方で、病院の老朽化、コロナ禍での一般診療との共存、慢性的な医療スタッフ不足などは、当院における大きな現状課題と認識しております。これらの問題から目をそらすことなく、この地域において当院が真に求められる医療を目指して、痛みを伴いながらも覚悟をもった病院改革に取り組んでいきたいと思っております。
当院は今後とも患者とその家族に寄り添えるような、優しくて暖かい、信頼される医療を提供できるように努力してまいりたいと思います。
この『優しくて暖かい医療』は、私が6年前に当院に赴任して以来感じ続けている点であり、私が自慢できる当院のスタッフたちによって作られています。優しさは言葉や態で作ることができません。にじみ出てくるものだと信じています。医療現場では、時に厳しいと感じる判断や現実が待っていますが、すべては過程であり、最終的に皆様がこの病院にかかって良かった、我々のスタッフたちに救われたと思っていただけるような病院になれましたら幸いでございます。
皆様には今後もご理解、ご支援の程、重ねてお願い申し上げます。
坪井病院病院長 杉野圭史